帯津メッセージ集

このページは、帯津良一が、医師として、一人の人間として、日々考えていることや思うこと、思想などを綴ったメッセージ集です。

2021年は、帯津カレンダーの当月の養生訓の解説を掲載していきます!

​12月(漢方粥で食養生)

【はと麦粥】 

はと麦は、乾燥したものを「ヨクイニン」と呼び、生薬として使用される。白米に比べ、たんぱく質、食物繊維が多い。胃腸の健康を保ち、疲労回復、滋養強壮によい。
利尿、鎮痛、解毒作用があり、肌の代謝も促す。はと麦に含まれるコイクセラノイドは、抗腫瘍活性が確認されている。

21_calendar12.jpg

​11月(養生訓シリーズ18)

食する時、五思あり。一には、此食の来る所を思ひやるべし。(中略)二には、此食もと農夫勤労して作り出せし苦みを思ひやるべし。(中略) 五には、上古の時を思ふべし。

(養生訓、巻第三の18) 

【意訳・解説】 

養生訓では食養生も事細かに語っています。一つは誰のお陰で食べられるのかを考えよ。二つには農夫の苦労を忘れてはならない。三つには美味しいものを食べられる幸せをかみしめよ。四つには自分には飢餓の心配もない、とても幸せであることを自覚せよ。五つには大昔には五穀がないことを思いなさいと。最後に益軒は「食事のとき、この五つのうちの一つでも二つでも思い出しなさい。」と説きます。

21_calendar11.jpg

​10月(漢方粥で食養生)

【ゆり根粥】 

ゆり根は、食用に適したゆりの花の球根部分。養分が貯蔵され栄養豊富なことから漢方薬として利用されてきた。心を落ち着かせる作用にすぐれ、精神安定剤、不眠の改善に珍重された。肺や呼吸器を潤して咳を鎮める効果があるまた、カリウムは高血圧を予防し、腎臓の老廃物を排出する。 

21_calendar10.jpg

​9月(養生訓シリーズ17)

心をつねに従容としづかにせはしからず、和平なるべし。言語はことにしづかにしてすくなくし、無用の事いふべからず。是尤気を養ふ良法也。(養生訓、巻第二の43) 

【意訳・解説】 

養生訓では心の養生についても様々に語っています。心を静かにするため「口数も少なくしなさい」とも、口は災いの元とも言われ、余分なことを言わないようにするのも理にかなっているかもしれません。ゆったりと静かに、ご利益がありそうな文言を口から発していた方がいいような気がします。

21_calendar09.jpg

​8月(漢方粥で食養生)

【枸杞子(くこし)粥】 

枸杞子(くこし)は中国古典薬学では最も高いランクの「上薬」(少ない副作用で身体を養う薬)として扱われ、滋養強壮によく、肝臓、腎臓の機能を高める。古来より「生命の果実」といわれた。
欧米でもスーパーフードして注目され、枸杞子に含まれるクコ多糖類は抗酸化作用があり、健康への効果が期待される。

21_calendar08.jpg

​7月(養生訓シリーズ16)

呼吸は人の鼻よりつねに出入る息也。呼は出る息也。内気をはく也。吸は入る息也。外気をすふ也。呼吸は人の生気也。呼吸なければ死す。(養生訓、巻第二の61) 

【意訳・解説】 

人は生まれた時から46時中、無意識に呼吸を行っています。1日に2万1600回もです。吐く息に気持ちを込めると生体を沈静化する副交感神経が優位に働く、ストレスの多い現代社会において、吐く息が副交感神経を引き上げることで生体のバランスを回復させます。 江戸時代の白隠禅師は呼吸法が大切だと説いていますが、その50年ほど先輩の益軒も呼吸法の重要性を説いています。

21_calendar07.jpg

​6月(漢方粥で食養生)

【木くらげ粥】 

木くらげは桑やケヤキなどに息づくキノコで、その姿形から「木耳」と表記される。 
食物繊維が豊富に含まれ、便秘予防、整腸作用がある。 木くらげのビタミンDはカルシウムとともに骨を丈夫にし、骨粗鬆症を予防する。また、木くらげは肺を癒し、咳を鎮める作用もある。

21_calendar06.jpg

​5月(養生訓シリーズ15)

養生の術、荘子が所謂包丁が牛をときしが如くなるべし。(中略) 心ゆたけくして物とあらそはず、理に随いて行なへば、 世にさはりなくして天地ひろし。(養生訓、巻第二の24) 

【意訳・解説】 

益軒は『荘子』 養生主篇第三にある包丁と文恵君との問答から引用し、「人の世でも心豊かにし争わずに、理にかなったことをすれば、世間にぶつかることなく、天地が広く感じられる。そういう人の命は長い。」と説きます。包丁のように道を極めれば世間が広くなり、長生きできるということでしょうか。

21_calendar05.jpg

​4月(漢方粥で食養生)

【山薬粥】 

山芋は乾燥したものを「山薬(やまいも)」と呼び、漢方では主要な生薬のひとつとされている。

​山芋の粘液質(ムチン)は胃粘膜保護作用があり、消化酵素(アミラーゼ)も多く含まれ、胃腸の働きを助け、滋養強壮の作用を有する。また、滋潤(うるおす)作用もあり、呼吸器系の機能を活性化する。

21_calendar04.jpg

​3月(養生訓シリーズ14)

朝早く、粥を温かに、やはらかにして食へば、腸胃をやしなひ、身をあたため、津液を生ず。寒月尤よし。是、張来が説也。(養生訓、巻第三の66) 

【意訳・解説】 

「朝早く粥を温かに柔らかくして食べると、胃腸を養い、身をあたため唾液が豊富に出る。寒月がかかる頃が特にいい。というは張来の説である。」と養生訓では朝粥を勧めています。朝粥が消化に良くて、体に良いことは永平寺開祖の道元も修行僧に説き、寺では今でも朝は粥です。帯津三敬病院も開設間もない頃から、​希望する患者さんに漢方粥を提供しています。

21_calendar03.jpg

​2月(漢方粥で食養生)

【小豆粥】 

小豆は「赤小豆(せきしょうず)」と呼ばれ、漢方では解毒、排膿、利尿の目的で使用される。

小豆のビタミンB群は炭水化物の代謝をサポートし疲労回復に効果があり、食物繊維は腸内環境を整える。

小豆のポリフェノールは豆類の中で特に含有量が多く、その抗酸化作用によって老化を防止する。

21_calendar02.png

​1月(養生訓シリーズ13)

人の元気は、もと是天地の万物を生ずる気なり。是人心の根本なり。人、此気にあらざれば生ぜず。(養生訓、巻第一の8) 

【意訳・解説】 

人の元気はもとはと言えば、天地の万物を生じる気である。この気がなければ人はこの世に生をうけることが できない。

養生訓で語られる「気を養う」というのは、つまりは人体という生命場の秩序を回復させ、高めることにほかなりません。

21_calendar01.png